2012年4月24日火曜日

カテゴリー[数学] - 自由ひろば


2007年4月の藤原紀香インドへ ~0誕生の国で見た数学のルーツという番組でのこと。

何もないことを示す記号にすぎなかった0をはじめて数字として扱ったのはインドである。5世紀にはすでに数字として扱っていたというが、いつ誰が発明したかは定かでない。
この0という数字にはじめて価値を見出したのが7世紀のインドの天文学者ブラフマグプタである。
0は足し算では無力だが、掛け算では最強で、割り算では不可能。
0に計算ルールを与え、ここにはじめて現代で使われている数字の0が誕生するのである。

この世紀の数学的発見をなぜ天文学者が成しえたのか。なぜなら古代インドでは天文学者が数学者も兼ねていたのである。
当時まつりごとでもっとも重要だった宗教の行事、その暦つくりに必要な月の満ち欠けや太陽の運動などを調べるため、高度な数学が必要だったのだ。そのため、三角関数の基礎や、サインコサインなどもインド天文学によって誕生、発展していったのである。

イタリアの天文学者であるガリレオ・ガリレイは「宇宙という着物は数学の言葉で書かれている。」
このインド天文学の流れを汲むのがインド占星術、宗教と天文学と高等数学が生んだ、数千年のデータベースから成り立っている。


コロシアムは造られた場所
藤原紀香インドへ ~0誕生の国で見た数学のルーツという番組は、本当に勉強になったので紹介する。
インドは他民族国家で、10億を超える国民は18の主要言語及び844の方言を使い、日本の9倍の大地に暮らす。
ちなみに"ナマステ"という言葉は挨拶言葉で、中国のニーハオと同じくいつでも使える。

ニューデリーの小学校の大半は入学した時から授業はすべて英語で、数学はノートも教科書も使わずに授業する。

インドでは頭脳の発達に一番役立つのは数学だと思われている。数学が不可欠なのだ。
数学が血に流れているとまで表現する。

13世紀から16世紀までイスラム帝国時代の城下町だったオールドデリーでのこと。
インドでは指の節を使う指算、インドで古くから伝わる計算方法だ。このものを使わない計算方法こそインド数学の特徴なのだ。

「インド式計算法」クーシャル・イブン・ラッバーンによると、現在、我々が当たり前のように使っている筆算のルーツはインドである。中世ヨーロッパでは、道具を使って計算するアバクス師(ヨーロッパ式計算術)なる職人がいて、計算には道具と知識が必要だったのだ。しかし、インド式の筆算は道具を使わず、ルールもシンプルで、筆算が普及した15世紀、アバクス師は大混乱に陥ったという。


誰それが落ちたときのR %のOMEをconqured ?

インド数学を研究する京産大の矢野道雄教授は、この計算法を画期的発明だと語る。
ローマ数字の場合、実際やってみるとわかるが計算しにくい。ギリシャ数字の場合アルファベットを使って、αが1、βが2というやり方もあるがこれもなかなか面倒である。漢数字も難しく、そろばんがあればいいが・・・
インドはそれらを使わずにとにかく9つの数字と0とでやる。

算用数字もインドがふるさとで、アラビアを経由したためアラビア数字と呼ばれているが、元はインド数字だったのである。現代でもよりすばやく答えが求められる独特な計算方法を教えているインド。

1の位が9の場合の解き方というようなものが編み出された。7×99=7×(100-1)
実は古代インドではこの計算式が言葉そのものだったという。
元々サンスクリット語では19というのは20-1で29というのは30-1というように、一の位が9の場合はむしろ上の位から1を引くと、言葉そのものがそういうふうになっている。
ということは思考法が29といっても30-1と頭の中に浮かぶ。そうすると29かける、という時には、もう30-1をかけるんだと。だから30倍して1倍したものを引けばいいじゃないかと、そういう発想なのだという。
インドの思考法は数字、計算のルーツである。


我が闘争は何ですか?

アルベルト・アインシュタインは言っている。
「現在我々があるのは、数の数え方を教えてくれたインド人のおかげである。それが無かったら、その後の重要な科学的発見は成しえなかった」と。
計算を大衆のものとしたインド数学は、我々が当たり前のように使っている数字や計算方法もインド人のおかげなのだ。

インドの商人たちの存在も、インドを計算大国にした1つの理由だともいわれる。
ヒンドゥー教のカースト制で、第3位にあるバイシャ(商人カースト)そして、一切の殺生が禁じられているジャイナ教徒、代々同じ職業を受け継ぐインドでは、彼らの祖先がインドの計算の発展に大きな影響を与えたといわれている。

東大の吉川洋教授は、数学という言語が威力を発揮するのは何よりも自然との対話においてだという。
自然を解明する物理学が、数学を武器にこれだけ成功を収めたのは、自然は数学という言語で書かれているからに違いない。
自然の摂理に従わなければならない以上、数学無しにロケットは飛ばないし、高層ビルも建たない。

0の発見、おなじみの文書問題、一、十、百、千などの数の数え方を生み出したインドでは頭脳の発達に一番役立つのは数学だと思われており、数学が不可欠なのである。


斎藤孝の言葉をかりれば、頭の出来に差がうまれる。脳の密度の違いは数学を解くという訓練で鍛えられる。数学は論理を緻密に積み重ねて解くもの。ひとつの答えが出るまでに多くの思考の積載がある。この訓練をしていないと、論理を正しく構築することができない。訓練が出来ていない人は物わかりの悪い人だとバカにされてしまう。話が通じないから仕事がさせられないと烙印を押される可能性は大いにある。数学とは頭を磨くものだという。

和田秀樹の言葉をかりれば、キャリア官僚の9割、民間の社長の7割が文系と出世する人は多いが、しかし文系の中で受験時に数学を選択したものと、そうでないものとで比較したところ、収入が多いのは数学を選択した数字の強い人だ という調査結果を報じている。仕事ができるからだと結論付ける。

大学へ行くと、職業の選択が広がるように、数学ができると国立へいけるし、理系から文系はあるが、その逆は困難であるように、選択肢が増える。
理工系を卒業してメーカーの研究所で研究に専念するが、希望を出して営業に転身する人もいる。
文系の人材がいくら希望を出しても無理な話だ。

教育者は何のために学び、どういう効用があるかを伝える力が必要であろう。数学は積み重ねの学問だけに、一度挫折するといやになってしまうため、クラス分けをして学習度に応じた教育が必要であろう。



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